2020年に東京オリンピックを控え、訪日外国人の数も年々増えており、2015年現在で年間900万人が日本を訪れています。同時に外資系企業の日本進出も活発になってきており、200万人以上の外国人登録者が日本に居住していると報告されています。この傾向は今後もしばらくは続くものと予想されています。
外国人の流入は観光業の領域だけにとどまらず、この国際化の波は確実に医療の分野にも押し寄せています。メディカルツーリズムが国家戦略の一つと捉えられているように、医療の国際化は大きなビジネスチャンスと捉えられていますが、その一方でリスクも存在することを認識する必要があります。
言葉の壁により、必要時適切な受診、処置、治療を受けられない、という患者側のデメリット、そして外国人患者の対応に困る、あるいは、診察・処置をしたにも拘らず治療費未払いのままになってしまうといった病院側のデメリットとなる問題も生じています。外国人患者の方々の対応は往々にして現場任せになっていることが多く、激務の中にある医療従事者に更なる負担を課しているという現状があります。
言葉の壁だけではなく、文化、価値観の違いから生じるトラブル、医療事故、医療裁判等は準備を整えることでリスクを軽減できます。当社はそのような準備を研修という形で提供しております。現場のニーズに対応できる英語によるコミュニケーション能力を備えた医療従事者の人材育成に特化して教育コンテンツ開発、研修の開催、補習・自習用Eラーニングの開発を展開しております。
医療英語研修サービスを提供する会社を立ち上げようと思ったきっかけは、当社代表が研究員として英国の大学に勤務をしていたころにさかのぼります。社会科学系の部署から医学部所属へ移動し、日本人医師から英語論文の読み方、執筆の仕方などの相談等を受けるようになりました。ネイティブスピーカーのチェックを受けているはずの原稿であるにもかかわらず非常に問題のある校正済み原稿を目にする、ということが度々ありました。本当にその分野のことを理解して手を加えているのか、疑問に思うことが多かったのです。もしかすると、一般の英語を扱う延長線上に “English for specific purposes”である医療英語・医学英語を扱っているのでは、と思われるケースが多く、これは問題だな、と感じるようになったのです。
日本はサービス業の質は世界最高峰にあると思いますし、医療の分野でも同じことが言えるように思います。臨床医の先生方も素晴らしい治療をされ、臨床実績をお持ちの方がいらっしゃいますし、学術的な研究でも世界でトップレベルの研究をされている先生方がいらっしゃるはずなのに、語学が足かせとなって海外発信が出来ない、諦めている方が多いように思うのです。次第にそのような状況を少しでも変えることが出来ればと思うようになり、今までの経験を活かしながら、医学・医療の国際化に取り組んでみようと決意しました。
もともと教育とテクノロジーについて社会学部で研究を重ね、教育学部へ移動した後は高等教育、成人教育、生涯教育、地域教育、環境教育など、様々な領域の「学びのありかた」に関わって参りました。テクノロジーを介在させた「学び」と「アイデンティティ形成」を様々な形で見つめてきたのです。医学部に移った最初のきっかけも医学教育におけるテクノロジーの利用に関するプロジェクトに関わるためでした。その後、同医学部の公衆衛生科学研究所に移動してからは、国営病院での医療IT導入と医療サービスの安全性向上と業務の効率化促進をテーマに、組織学習論的視点から調査・研究して参りました。ここでは個人の学びではなく、組織としての学びを見てきたわけです。
「何の目的のために何をどう学ぶのがベストなのか」をテーマに研究してきたこれまでの経験を活かすことで、医療に携わる方たちに最適な英語学習環境を提供できればと思い、この度、会社を立ち上げるに至りました。
(株)MPowerは専門領域の英語に特化した英語教育サポート会社です。専門分野に関わるプロフェッショナルな方たちが言葉や文化の壁を乗り越えて国際レベルで活躍できるよう、世界と日本の橋渡しの一役を担うことが当社の使命と捉えています。医療におけるコミュニケーションの潤滑油として医療の国際化に貢献できれば幸いです。私たちと共に成長し、医療サービスの明るい未来を切り拓いてくださる方々との出会いを心より楽しみにしています。


















